2010年12月15日

インフレ税という考え方

私はこのブログにも、経済の素人として、
なぜ、政府(日銀)がもっとお金を刷らないのか疑問だ、
という話を書いています。

当然、デメリットとしてインフレが起こるのですが、
インフレが起こっても、やっぱりお金を増やした方が
いいと思うのですね。

なぜそう思うか?
今日はそれを書いてみたいと思います。


インフレが起こると紙幣価値が下がります。
つまり、お金を持つものの立場から言えば、
価値を奪われていることと同じわけです。

一方、借金を抱えるものにとっては、
借金がどんどん目減りしていく、
有利な方向にはたらくわけです。


現在、日本で一番借金を抱えている
のは誰でしょうか?

それは、そう、政府です。国自身です。
今や日本の借金の額はものすごい額になっています。

いつかそれを返済しなくてはなりません。

さて、どうやって返済するのか。

一つは、増税すること。
現在、消費税の増税の議論などもされていますね。

でも、方法はそれだけではありません。
先ほど触れたように、インフレを起こす方法もあります。


インフレを起こした場合、お金を持つ人ほど不利、
つまり、高齢者層には不利になるでしょう。

一方、貯蓄をもたず、資本が自分自身である
若年層にとっては有利になっています。

国債自体が、後の世代につけを回すと
評判が悪い存在です。

素人考えだと、若年層に有利なインフレの方が
良いような気がします。


さらに、増税には大きな問題点があります。

それは、それを行えない、ということです。

国の借金を減らさないといけないのは明らかなので、
何人もの政治家が消費税アップに挑戦してきました。

しかし、結果は現状見ての通りです。

結局、日本国民は庶民への増税を決して許さないでしょう。
つまり、国民の代表である政治家には、自分の首もかかっていて、
いくら必要性がわかっていても消費税は上げられません。

そんなことをしているうちに、
さらに日本の借金は膨れ上がってしまう…。


でも、増税できなくともインフレは可能ではないでしょうか。
何もないというわけではないでしょうが、
消費税増税よりは風当たりが弱いのは確かでしょう。

財政状況は危機的です。
できるだけ、手は早く打たねばなりません。


以上、素人考えですが、インフレが望ましい理由です。

ただし、一つ気になるのが、
インフレを起こすと国債の金利が上がって、
国にダメージがあるという話。

本当にインフレを起こすと国が良い方向に進むのか
残念ながら、私に判断する能力はありません。

詳しい方、考え方に間違いがあればご指摘下さい。





posted by エンジニアライター at 00:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月04日

素人の経済に対する素朴な疑問

「インフレは危険である」という主張に興味を持ち、
この本を読んでいました。
日本経済 このままでは預金封鎖になってしまう

この本の主張は、
インフレが起こると日本国債が値下がり、
日本国債を大量に保有している国内金融機関
が致命的なダメージをうける、というものでした

確かに、その論理は理解できます。

でも、完全に腑に落ちたか、というとそうではありません。

何か経済について本質的なところが
僕には理解できていないのですね。



例えばこんな話を考えます。

国が公共事業を始めたとします。
発注金額は10億円です。

でも、財政が厳しく予算がありません。

仕方がないので国が10億円刷って
受注業者に渡しました。

新たにお金を発行したので借金は増えません。
その上、民間にお金が回るわけです。

反面、こんなことをするとインフレが起きます。

しかし、今の日本はデフレで苦しんでいます。
少しくらいのインフレ圧力はむしろ薬です。


う〜ん、良いことばかりのような気がします。
なぜ、日本はこういうことをしないのでしょうか?

ハイパーインフレが起こるという反論は良く聞きますが、
この方法でゆるやかなインフレは起こせないのでしょうか?

恐らく、僕が何かを見落としているのでしょうが…。
誰か知っている人がいれば教えて下さい。
posted by エンジニアライター at 04:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月27日

企業衰退の5段階

期待していたこの本をついに入手
一日で一気に読みきってしまいました。
ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階
ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階ジェームズ・C・コリンズ(James C. Collins) 山岡 洋一

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前作のビジョナリーカンパニー2を始めて
手にとって衝撃を受けたことを思い出します。

研究の方法は非常に定量的で論理的です。

それにも関わらず、導き出された結論の
人間味あふれること。

「企業」を「人」に変えてやれば、
そのまま自己啓発書になってしまいそうでした。

無機質と思われているはずの企業というものの
論理的な分析結果が人間味を帯びているということは、
結局、企業も「人」なのだと認識を新たにしたのでした。


さて、最新作でジム・コリンズが取り上げるのは、
ずばり「企業の衰退」です。

私はこのテーマには関心を持たざるを得ませんでした。

私の現在勤めている企業(日本の半導体企業)は、
客観的にみて明らかに衰退の道を進んでいます。

その中で、自分がどう動くべきなのか、
指針が欲しかったのです。

結果、本の内容は素晴らしいものでしたが、
これが解決策、というものは得られませんでした。

ただし、一つ重要な気づきを得ることができました。


衰退の道を進む企業は、一発逆転を狙おうとします。
(コリンズはこれを衰退の第四段階と呼びます)

外部から有名なCEOを招く、大型買収、
組織の大幅な入れ替え、大胆な戦略転換…。

しかし、これらははっきり間違えているのです。

衰退途上にあるからこそ、地道なところから
始めないとダメなのです。

沈滞した閉塞感で一杯になった企業の中で、
株主や経営者はもちろん、従業員も、
大胆な施策でショック療法を望んでしまいます。

私もそんな大胆な変化を期待して、
しまっていました。

しかし、これからはそうではなく、
こんな時こそ目の前の仕事を着実にこなす、
そんな態度が重要だと確信を持って
行動していきたいと思います。
posted by エンジニアライター at 00:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月24日

亡くなった人のものは国のもの


財政危機、デフレ、雇用問題、
今、日本をとりまく状況は非常に厳しいです。

そんな中、小飼弾氏らが、
「これはっ」と思わせる、意見を出していました。

それは、相続税を100%に、という主張です。


つまり、亡くなった人の所有物は
問答無用に国へ、ということなのです。


現在日本が苦しめられているデフレ、
この根本原因は需要不足です。

そして、その需要不足の原因は、
国民が、特に金融資産を多く持つ高齢者が、
将来不安のためお金を使わないことにあります。


ここで、「亡くなった人のものは国のもの」
ということにしてしまえば、こんなことになります。

税金を納めたくない人は、生前にお金を使う。
つまり、景気がよくなるわけです。
これは、当然みんなの利益になります。

一方、それでも不安で資産を貯めこみ、
死後に莫大な税金を払う人もいるでしょう。

この場合は国が、財政を立て直すために、
このお金を使ってやればいいわけです。

日本の財政状況がよくなれば、
将来不安もなくなり、国が明るくなるのです。

どっちに転んでも、良い方向にしかいきません。


さらに、格差問題にしても、最も不平等な
生まれの不平等の格差低減にもつながります。


当然、子に残したいという親の気持ちはどうするのか、
という意見もでるかでしょう。

しかし、これは「資産」という形で残さなければ
良いだけの話です。

莫大な遺産を残すと、親族で争いが起きたり、
遺産を相続した親族が転落の人生を歩んでしまったり、
悪影響も大きいのではないでしょうか。

だから「資産」以外で、子に何かを残す。
具体的にどうするかは各自で考えるとして、
この考え方は人生の質をも、高めてくれると思います。


難しいのは、生計者が亡くなった時の、
残された家族の生活の問題ですが、
これは、社会保障を充実させることで対処可能と思います。


ということで、理念としては完璧だと思うのですが、
実行に移すとなると運用面が心配です。

こんなことを始めると、当然抜け道を考えるでしょうから、
それを含めて、この理念を実現させることが可能でしょうか。

そもそも、政治家は一般的に資産家なので、
こんな案は却下されてしまうのでしょうかね。


posted by エンジニアライター at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月05日

第4の価値とは

さて、前回の続きです。

前回はこんなことをお話ししました。

理系の多くは第二次産業
つまり製造業に従事するということ

ですが、製造業は大幅な生産性の向上の末
もう大量の人を必要としなくなってしまったこと。

この話をつきつめると、
世の中から理系のニーズが減ることになります。

そこで、第4の価値という言葉が浮上してくるのです。

第4の価値、即ち第4次産業とは、
20世紀には、お金にならないといわれて
切り捨てられてきたモノです。

また、日本が豊かになり、物質欲は満たされ
「もう欲しいものは無い」と言われながら、
なぜか国民が豊かさを実感できない。
その日本に最も欠けているものです。

言葉ではうまく表現できませんが、
家族、仲間、心、地域、環境、美しさ
こんなものがキーワードになってくるでしょう。


そんな流れは着実に広まってきています。
社会起業家と呼ばれる人が注目されたり、
既存の企業も単に金儲けだけではなく、
社会に対する影響を考えるようになりました。

そんな流れも着実に進んでいくでしょう。
そして、大きな第4の価値を作り出すのです。


その中で理系人ができることは何か?
それは、ビジョンを示すことだと思います。

例えば、太陽電池を考えてみると、
太陽電池を売るメーカーは
モノを売っているつもりなのですが、
買う方の意識は違ってきています。

現在の価格だと、太陽電池を導入することが
必ずしも経済的な選択ではありません。

しかし、それでも購入する人の心には
地球環境に貢献している、という満足感が
大きいに違いありません。

つまり、メーカーは第2の価値(モノ)
を提供しているつもりでも、
実際は第4の価値(ココロ)を
提供しているのです。

そうすると、これからの製造業は
いかに製品にビジョンを含ませるかが
優劣に直結してくるのです。


そういう考え方ができるかどうか。
それが、21世紀の理系人の質を判断する
一番のポイントでないかと思います。

posted by エンジニアライター at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする