電子機器万能の世の中ですが、その中にあっても
人気が高い機械式の自動巻き時計です。
自動巻きといっても、使わないと止まってしまうし
明らかに電子式のクォーツの時計の方が便利なはずです。
なんと世の中には、自動巻き時計を電気を使って
巻く機械もあるようで驚きです。
それなら、最初から時計を電気で動かせよと。
人にこうまでさせる、
自動巻き時計の魅力とは何なのでしょうか?
自動巻きは高級品中心ですから、
デザインやイメージの問題なのかもしれません。
しかし、もっと本質的な魅力があるような気がします。
そんなことを考えていたとき、思いついたのが、
動作原理が「わかる」ことではないのか、
ということでした。
今となっては非常に安価でありふれたものですが、
クォーツの時計の動作原理がわかる人が
世の中にどれだけいるでしょうか。
一方、ぜんまいを巻いたエネルギーで動く、ということは、
多くの人にとって「わかる」ものです。
これが機械式時計の魅力の原点なのではないでしょうか。
動作原理がわかりやすいことは魅力なのです。
この世の中で、ありふれているけど「わからない」もの。
この筆頭は、残念ながら私の専門とする半導体
なのではないかと思います。
何らかの方法で、半導体の動作が「わかる」
ような製品を世の中に出すことができれば、
スペックと価格だけでない価値も
提供できるのではないだろうか?
少なくとも、人間に優しい製品といった時、
その動作原理がわかりやすいということは、
1つのポイントになるはすなのです。
昨今、製品は性能や価格はもちろん、
環境にやさしいことが重要なポイントになっています。
それが当たり前になってしまった後には、
人に優しい製品、つまり動作原理がわかりやすく、
人間が違和感なく受け入れられる製品、
そんなものが求められるようになるのかもしれません。