2012年03月03日
エルピーダ、会社更生法へ
今週、とても残念なニュースがありました。
このブログでも何度か応援?してきた
エルピーダメモリが会社更生法を申請したのです。
厳しい厳しいとは言ってみても、
本当にこんな結果になると
改めて寂しい気持ちになるものです。
ただ、社長の坂本さんのコメントを聞いてみると
まったく倒産する会社の社長とは思えません。
社長は続ける、リストラはしない、
20nm以降のDRAMを作れるのはエルピーダともう1社だけだ、
倒産する会社の社長になったことはありませんが、
ここまで強気になれるものなのでしょうか?
はたから見ていて世間の反感を買うのではないかと
ヒヤヒヤしてしまうほどです。
もしかしたら、坂本さんは、
会社更生法でさえ、ファイナンスのひとつのようなもの、
という認識なのかもしれませんね。
打たれ強いというか、図々しいというか、
まあDRAM会社の社長なんて、
このくらいでないと務まらないのでしょう。
経営陣の責任とか言っている人がいますが、
実際問題、これからの再生計画をまとめること、
こんなことができる人は日本人では
坂本さん以外には考えられません。
これからも紆余曲折があるでしょう。
そして、うまく再生ができる環境が整ったとしても、
その時エルピーダは日本の会社とはいえない
体制になっているでしょう。
しかし、それでもエルピーダの技術だけは、
世界のどこかで生かされ続けて欲しい。
エンジニアとしてはそう願わずにはいられないのです。
2012年02月10日
先端プロセスは外資に期待
今週、半導体大手の3社、
ルネサスエレクトロニクス、富士通、パナソニックが
SOC事業の統合に向けて協議している
というニュースが報道されました。
正直、親会社にとってのリストラ、
という印象しかもたないのですが、
先端開発については少し希望が見えてきた
ような気がしています。
実は、28nmより先の先端プロセス開発は
日本勢は全て手を引いています。
なぜかというと、お金がないからです。
先端プロセス開発には莫大な投資が必要で
それが日本の会社にはないのです。
一方、人材や技術はまだ残っています。
流出が激しいですが、まだ残っています。
ただし、今の状況が続けば、
近い将来、完全に開発能力を失ってしまうでしょう。
ここで、米国の半導体製造会社の登場です。
この会社はアラブの資本も入っていて、
資金力は潤沢にあります。
日本の半導体メーカーが逆立ちしても
出せないような資金が…。
この会社が今回の統合に絡んでくる
との推測がされています。
もはや、外資だろうが関係ありません。
日本のエンジニアを技術を
ぜひ、先端プロセス開発の一線に
引き戻してもらいたいと思っています。
日本の会社に、という願いは
かなわぬものとなりましたが、
せめて日本という場所で
先端開発が続けられてほしいものです。
2012年01月14日
ふんばれエルピーダ
今、日本で唯一のDRAMの会社であるエルピーダメモリが
大きなピンチに立たされています。
一時は復活か、と言われたこともあったのですが、
最近のDRAM価格の大幅な下落、
追い討ちをかける円高、ウォン安で
一気に窮地に陥ってしまったのです。
しかし、エルピーダはの存続はもはや
日本のエゴだけではすまないものがあります。
もしエルピーダがなくなってしまうと、
DRAMの大半が韓国で生産されることになります。
DRAMのように、PCに不可欠な製品が、
韓国に寡占されるということは
様々な問題を生じることでしょう。
寡占したあとに大きく値上げされ
供給も不安定になるかもしれません。
半導体ビジネスの特徴上、
そうなってから他の半導体メーカーが
DRAMに参入するのは簡単ではないのです。
なんとか、エルピーダにはふんばってもらいたい。
過去にも厳しい状況を乗り越えてきたエルピーダ。
この危機はそれにも増して厳しいものですが、
なんとか生き抜いて日本のDRAMの火を
消さないでほしいものです。
2011年09月17日
そんなに半導体を叩いてなにが面白い!
ツイッターで、次のツイートが
たくさんのRTを集めていました。
「私の兄は半導体関連企業でプログラマー。
そろそろ台北かソウルに行かなきゃ
生活できなくなると言っています」
「ロジック系は既に次々世代辺りの研究開発を
停止したメーカーが多い。
ルネサスは技術者を大量解雇。
富士通、東芝も生産を大部分外部委託。
既に敗北したのです」
(magosaki_ukeru 孫崎 享 氏のツイート)
ネット上にはこの手の発言が満ち溢れています。
まあ、残念ながら、これらの発言、
ある程度は真実なのですが…。
ビジネス誌などでも、日本が急激に競争力を
失った代表的な産業として、
ことあるごとにダメ産業の烙印を押されます。
もしかしたら、書いた人は
発奮して欲しい、と思っているのかもしれませんが、
疲弊しきった業界の人間にとっては、
戦意が喪失していくだけです。
「日の丸半導体は終わった」
「日本の半導体産業は死んだ」
こんなことを、あちらこちらから、
定期的に言われるわけです。
死は一回のはず。
何でこんなに死ぬのか不思議に思えますが…。
死人にムチ打つようなことばかり書くな!
こう叫びそうになります。
一つ、付け加えておけば、
半導体といっても色々あります。
日本の半導体が
全てダメになったわけではありません。
ダメになったのはロジック系と呼ばれるもので、
パソコンや携帯電話などで、
情報処理をしている半導体です。
これは、設計は米国や他の先進国、
製造は台湾、というのが一般的で、
残念ながら日本は表舞台から姿を消してしまいました。
しかし、メモリに関しては、東芝はNANDで頑張ってますし、
エルピーダは一時は絶望的な状態になったものの、
社長が変わった後に巻き返し、
今は韓国勢を追える唯一の存在となっています。
また、パワー半導体では三菱や東芝などの
大手総合電気メーカーが世界で存在感を見せています。
叩いているのは、半導体を何も知らずに、
ただ何かを叩きたがっている人だけ。
頑張れ、日本の半導体!
2010年02月26日
なぜ「半導体」なのか?
今回は、先週OIEで行った授業から、
1つトピックスを紹介したいと思います。
テーマは、なぜ「半導体」なのか?
それをスライドで説明します。
電気を半分流すのではありません。
電気をある時はながしたり、
ある時は流さなかったりするのです。
だから、半導体なのです。
これだけだと、ばかばかしいほど単純な動作です。
しかし、この単純なものから、
コンピュータなどの複雑なモノが生まれるのです。
1つトピックスを紹介したいと思います。
テーマは、なぜ「半導体」なのか?
それをスライドで説明します。
電気を半分流すのではありません。
電気をある時はながしたり、
ある時は流さなかったりするのです。
だから、半導体なのです。
これだけだと、ばかばかしいほど単純な動作です。
しかし、この単純なものから、
コンピュータなどの複雑なモノが生まれるのです。