2016年06月11日

ジョブズが憧れた伝説の日本人エンジニア

ロケット・ササキ:ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正

本書はシャープで電卓戦争の中心として
半導体や電卓の開発に携わった
佐々木正氏の半生を描いたものです。

若い時には、戦時の軍事研究、
それから神戸工業とその衰退を経て、
シャープに入社します。

その活躍が、本当にドラマテックです。
周囲の猛反対を押し切って進めた
MOSFET技術の導入など、自分の信念を貫き、
そしてそれを成功させます。

電卓に液晶ディスプレイを採用したのも
シャープが先駆けとは聞いていましたが、
それも佐々木さんの力あっての
ことだったのです。

佐々木さんはエンジニアとしての
腕や勘ももちろんですが、
膨大な人脈とそれを結びつけるコネクタの
ような存在となって、活躍されていたようです。

社長よりはるかに多い交際費を使っていた
という記述もありました。
もちろん、それに見合う十分な成果を
上げられていたのですが。

こんな方が上司だったらいいなと、
素直に思わせてくれました。


残念ながら、佐々木さんをはじめ、
昭和の時代に先人が築いてくれた
日本半導体業界の繁栄は、
今はみる影もありません。

しかし、それを嘆くのではなく、
佐々木さんのような方の生き様に学んで、
また、ゼロから何かを作り上げる気合が必要
なのだと感じました。

戦後の焼け野原から、
これだけのことを成し遂げられたのです。
我々にもできることがあるはずです。

posted by エンジニアライター at 20:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 半導体 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月24日

専門外のエンジニアのための半導体入門 前編

エンジニアライターはエンジニアピットのコラムで
「機械系エンジニアも知っておくべき半導体入門」
という記事を連載しています。

ターゲットは専門ではないけれども、
半導体を使うエンジニアとしています。

そんなエンジニアは半導体を使ってはいても、
自分の専門分野の勉強に忙しく、
半導体の基礎を勉強する時間はないでしょう。

そこで、半導体の基礎を、簡潔にわかりやすく
紹介できる記事を書こうと思いました。

今日はその内容について紹介したいと思います。


第1回 そもそも半導体とは?
半導体とは何か?という質問に対して一番良い答えは
「半導体とはスイッチである」だと思っています。
半導体は「電気を流すか、流さないかを制御するスイッチ」
これが一番重要な働きです。
学問としては基礎から解説するため、PN接合とか整流作用を
最初に説明するのですが、ここでつまづいて
スイッチまでたどり着けない人が多いのは残念です。

第2回 70年たっても変わらないマイコンの原理
半導体はスイッチです。
ただし、パソコンなど複雑な処理をこなす半導体と
原始的な「スイッチ」は結びつきにくいと思います。
この回では「スイッチ」とマイコンをつなぐ
論理回路を紹介しています。

第3回 半導体はどうやって計算するのか?
第2回で論理回路を紹介しましたので、
今回は論理回路がどうやって計算するのか、
という話をしています。
簡単な2進数の計算ですが、論理回路を使って
演算ができることがわかるでしょう。
つまり、スイッチ(半導体)が
計算できるということです。

第4回 半導体はどうやって「覚えて」いるのか
「考える」ために必要な「記憶」の話です。
半導体は記憶するために「メモリ」を使います。
その中で代表的なDRAM、SRAM、フラッシュメモリを
紹介しています。
考えることと覚えることができて、
半導体は頭脳になり得るのです。


今回半導体入門の記事を書いて思ったのは、
教科書は教える順番が問題だ、ということです。

学問的に、簡潔に、矛盾無いように書きたいのは
わかりますが、もっと読者の分かりやすさを
優先しても良いのでないか、と思いました。

posted by エンジニアライター at 20:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 半導体 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月29日

半導体はとにかくわからない


あるセミナーで半導体業界の同業者に出会いました。
たもぞうさんという方で、
いつまでも半導体エンジニアと思うなよ
というブログを書いています。

そのともぞうさんが、
「半導体の未来を考える会」を開催するために
90日プロジェクトを立ち上げています。


僕も、この会のコンセプトについて
たもぞうさんと話をしたのですが、
「半導体」って、とにかくとっつきにくいのですね。

半導体自体は電気があるところには
必ず存在するものなので、
身の回りにあふれているわけです。

それなのにこれだけ存在感が薄いのは、
そのわかりにくさにあるのでしょう。

出版業界でも「半導体」という言葉は
タイトルにつくと売れないという
NGワードになっているそうです。

このわかりにくさを超えて、
いかに「半導体」をわかりやすく伝えるか
これは僕のミッションの一つになりそうです。

posted by エンジニアライター at 23:55| Comment(1) | TrackBack(0) | 半導体 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月09日

会社を倒産させてなお評価される経営者


会社を潰してしまった経営者で
評価されるのはこの人くらいのものではないでしょうか。

エルピーダの元社長である坂本氏です。

不本意な敗戦 エルピーダの戦い

倒産したのにもかかわらず、
社員を一人もリストラしなかった、
こんな会社が他にあるでしょうか?

清算しようとしていたエルピーダの社長を引き受け
一時は2%を切っていたシェアを一時は20%まで高めました。

また、2012年2月に倒産してしまいましたが、
今はマイクロンの傘下の中
モバイルDRAMの好調で莫大な利益を
だしているとのことです。


倒産にしても、この人は
会社に余力を残しながら会社更生法を申請しました。

普通のサラリーマン経営者であれば、
まず会社更生法は本当に最後の手段として、
自分の名を汚さない方法を模索するでしょう。

この人にかかれば、会社更生法も終わりでなく
会社を発展させる一手段なのだな、と感じました。

会社を潰してしまった今になっても、
坂本さんは半導体企業の日本人としては
最高の経営者であることは間違いないのです。

posted by エンジニアライター at 00:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 半導体 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月03日

エルピーダ、会社更生法へ


今週、とても残念なニュースがありました。

このブログでも何度か応援?してきた
エルピーダメモリが会社更生法を申請したのです。

厳しい厳しいとは言ってみても、
本当にこんな結果になると
改めて寂しい気持ちになるものです。


ただ、社長の坂本さんのコメントを聞いてみると
まったく倒産する会社の社長とは思えません。

社長は続ける、リストラはしない、
20nm以降のDRAMを作れるのはエルピーダともう1社だけだ、
倒産する会社の社長になったことはありませんが、
ここまで強気になれるものなのでしょうか?

はたから見ていて世間の反感を買うのではないかと
ヒヤヒヤしてしまうほどです。

もしかしたら、坂本さんは、
会社更生法でさえ、ファイナンスのひとつのようなもの、
という認識なのかもしれませんね。

打たれ強いというか、図々しいというか、
まあDRAM会社の社長なんて、
このくらいでないと務まらないのでしょう。

経営陣の責任とか言っている人がいますが、
実際問題、これからの再生計画をまとめること、
こんなことができる人は日本人では
坂本さん以外には考えられません。


これからも紆余曲折があるでしょう。
そして、うまく再生ができる環境が整ったとしても、
その時エルピーダは日本の会社とはいえない
体制になっているでしょう。

しかし、それでもエルピーダの技術だけは、
世界のどこかで生かされ続けて欲しい。
エンジニアとしてはそう願わずにはいられないのです。

posted by エンジニアライター at 01:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 半導体 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする