買ったら下がって、売ったら上がる、
なかなかうまくいかないと嘆いている人が多いですね。
でも、ランダムに売り買いをすれば、
確率的には勝ち負けの確率は五分五分のはずです。
なぜ、9割の人が損をする事態になってしまうのでしょうか?
答えは勝負の非対称性にあります。
つまり、大勝をすると
それを元手により大きな勝負をするのに対して、
大負けをしてしまうとお金が無くなるので
そこで止めざるを得なくなるのです。
言い方を変えると、みんな多少勝ちはしているはずなのですが、
「大負けするまで」勝負を繰り返しているので、
最終的にはみんな損をしているわけです。
トレーダなどプロとして株式売買をしている人もいますが、
プロに言わせると株の秘訣は損切にあると言います。
つまり、ゲームから退場せざるを得なくなる
大負けを避ける仕組みが非常に重要ということです。
ただし、人間というもの損が積み重なってくると、
大きな勝負をして負けを取り返そうとしたり、
大負けを回避するのと全く逆の行動をとってしまいがちです。
株は人間には適していないゲームと言えるのかもしれません。
このように人間に任せるとうまくいかないから、
コンピュータで機械的な売買をして
利益を出してやろうという動きも盛んです。
しかし、これにも気をつけなくてはいけないことがあります。
というのは、投資の世界では
大暴騰や大暴落などの極端な現象が、
確率や統計を用いて予測した値よりも、
多く発生する傾向があるからです。
例えば、最新の金融理論で投資を行っていた
アメリカの投資会社LTCMは、
ロシアの国債がデフォルトを起こす確率を
100万分の3と計算し買いに回りましたが、
それが裏目に出て倒産してしまいました。
また、単純な感覚としても、
「数十年に一度の暴落」が近年
何回も起きているような気がしませんか?
人間がやっても、コンピュータに任せても、
投資の世界で利益を上げ続けることは
非常に難しいことなのです。
投資を行う時には覚悟が必要です。