2018年12月22日

数学が「使える」とはどういうことか?


12月19日に著書の数学大百科事典が発売されました。


アマゾンの数学書籍で1位を獲得するなど、
初速は好調のようです、ありがとうございます。


この本を書くときの大きなテーマの一つが
「使える数学」とは何か? ということでした。

実際のところ、「使える数学」でないものは
たくさん挙げることができますが、
何が「使える数学」か、というと答えに詰まります。


逆の例はこの本でたくさん紹介しています。
例えば、x^4を微分すると4x^3になりますが、
これができたからといって微分が理解できている
ということにはならないでしょう。

じゃあ、数学が使えることはどういうことか、
抽象的な言い方になりますけど、
数学の感覚をつかんでいる、となると思います。
抽象だけでなく、具体的に理解しているということです。

つまり、数学とモノを対応づけられている、
ということになるでしょうか?
複素数とCG、微分と速さ、微分方程式と放射能、
こんなことを関連づけることができれば、
それは数学を使えることに近づくと思います。

数学大百科事典では、数学とモノを対応づけた例を
できるだけたくさん紹介しています。

数学を使う感覚を知りたい方はぜひご一読下さい。


posted by エンジニアライター at 23:05| Comment(0) | 高校数学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月04日

正規分布はなぜ重要なのか?


最近、少し統計を学んでいます。

その中で驚いたのが、正規分布がなぜ重要か?
という説明がほとんどないことです。

正規分布は左右対称つりがね型の分布で〜
世の中の色々なところに登場します〜

といった記述はあるのですが、
「なぜ、正規分布なのか?」という
質問の答えはほとんど見つけられませんでした。


これだけ探してもピンとくる説明が
ないので、恐らくどこにもないのでしょう。

ただ、左右対称のつりがね型の分布で、
積分すると1になる(確率だから)。

さらに∞にまで広がっている分布という
と他にはないのでしょうかね。

とても基本的なところなので、
うまい説明ができればいいと思うのですが…。

数学はどんどん発展していきますが、
それをうまく説明するという観点からは、
まだまだ発展途上のようですね。


posted by エンジニアライター at 15:46| Comment(0) | 高校数学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月18日

数学のルールはスポーツのルール

数学のルールには人為的なものがあります。
これを定義といいます。
定義というものはただ人間がそう決めた、
というだけで理屈のないものです。

この章でベクトルの外積は、
大きさはベクトルa,bの作る平行四辺形の面積、
向きはベクトルaからbの方向に右ねじが進む方向
のベクトルである、という話をしました。

例えば、これがなぜaからbの方向に右ねじが進む方向なのか、
その逆の方向ではダメなのか?
と問いかけても数学は答えを返してくれません。

定義は疑うものではなくて、
その定義を無条件で受け入れた時、
その先にどんな世界が広がっているか調べること、
それが数学という学問なのです。

数学は論理的と言われますが、
その原点である定義は、
ただ決めただけであって論理的というわけではありません。

私はこの関係はスポーツのルールに似ていると考えています。

例えば、サッカーはなぜ手を使ってはいけないのでしょうか?
バスケットボールはなぜボールを持って
走ってはいけないのでしょうか?

この問いに論理的な答えはありません。
しかし、この理不尽なルールを受け入れた結果、
ドリブルなどのテクニックやゲームの戦術など、
人間にとって興味深い世界が広がるのです。

数学に話を戻すと、
円周率が直径と円周の比であること、
つまり(π=3.14159…)であることも人間が決めただけであって、
それに論理的な意味はありません。
別に半径と円周の比にしてしまっても
数学の体系的には何の問題もないのです。

Euler.gif

この章で、オイラーの等式を紹介しました。
この式は数学の式の中で一番美しいとも言われますが、
仮に円周率が半径と円周の比で定義されていると
円周率は今の2倍の値(π=6.2831…)になり、
マイナスが取れてより美しい?形になります。

ですので、円周率を直径と円周の比で定義してしまったことを、
人類の大きな過ちである、と考える数学者の方もいるようです。

どう決めてしまっても問題はないのですが、
一度決めたことを覆すことはできないのですね。

posted by エンジニアライター at 21:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 高校数学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月04日

なぜ株の世界では9割の人が損をするのか?

株の世界は厳しく実に9割の人が損をすると言われています。
買ったら下がって、売ったら上がる、
なかなかうまくいかないと嘆いている人が多いですね。

でも、ランダムに売り買いをすれば、
確率的には勝ち負けの確率は五分五分のはずです。
なぜ、9割の人が損をする事態になってしまうのでしょうか?

答えは勝負の非対称性にあります。
つまり、大勝をすると
それを元手により大きな勝負をするのに対して、
大負けをしてしまうとお金が無くなるので
そこで止めざるを得なくなるのです。

言い方を変えると、みんな多少勝ちはしているはずなのですが、
「大負けするまで」勝負を繰り返しているので、
最終的にはみんな損をしているわけです。

トレーダなどプロとして株式売買をしている人もいますが、
プロに言わせると株の秘訣は損切にあると言います。

つまり、ゲームから退場せざるを得なくなる
大負けを避ける仕組みが非常に重要ということです。

ただし、人間というもの損が積み重なってくると、
大きな勝負をして負けを取り返そうとしたり、
大負けを回避するのと全く逆の行動をとってしまいがちです。
株は人間には適していないゲームと言えるのかもしれません。

このように人間に任せるとうまくいかないから、
コンピュータで機械的な売買をして
利益を出してやろうという動きも盛んです。

しかし、これにも気をつけなくてはいけないことがあります。
というのは、投資の世界では
大暴騰や大暴落などの極端な現象が、
確率や統計を用いて予測した値よりも、
多く発生する傾向があるからです。

例えば、最新の金融理論で投資を行っていた
アメリカの投資会社LTCMは、
ロシアの国債がデフォルトを起こす確率を
100万分の3と計算し買いに回りましたが、
それが裏目に出て倒産してしまいました。


また、単純な感覚としても、
「数十年に一度の暴落」が近年
何回も起きているような気がしませんか?

人間がやっても、コンピュータに任せても、
投資の世界で利益を上げ続けることは
非常に難しいことなのです。

投資を行う時には覚悟が必要です。
posted by エンジニアライター at 22:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 高校数学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月21日

コンピュータを理解すれば給料が上がる?

この章では、主にコンピュータと数学の関係について書きました。
私としてはこの知識は、
今の時代を生き抜くのに必須の知識だと思っています。

残念ながら1990年代初頭から日本のソフトウェア開発の効率が、
他国に比べて低い事が問題になっています。
ただし、その原因は開発者の能力より、
むしろ発注者の問題と言われています。

多くの場合、ソフトウェア発注を担当する担当者は
営業や総務、広報などの方が多いですが、
コンピュータへの理解が不足していて、
コンピュータが何が得意で何が苦手なのか理解していません。

ですので、要求仕様がコンピュータに適したものになっておらず、
ソフトの開発効率が悪く開発費用が想定以上になったり、
ソフトが完成してもうまく使いこなせなかったりするのです。

昇進して管理職になって部下を持てば、
部下の向き不向きを考えて役割分担を考え、
チームで最大の成果を出すことが求められるでしょう。

教育的な配慮は別として、人見知りが激しい人に
飛び込み営業をさせることもないでしょうし、
数字が苦手な人に統計分析をさせることもないでしょう。

それなのに、部下ともいえるコンピュータに対して、
全くその性質を理解せずに、
向き不向きを考えないで仕事を任せているのです。

パソコンが一人一台になって久しい今、
これでは仕事の生産性を大きく落とすことになります。

逆に言えば、コンピュータの思考回路や
向き不向きを正しく理解すれば、
仕事の生産性も上がり、給料も上がる?ことでしょう。

この本では、ページの関係でコンピュータと数学の関係について
ほんのさわりの部分しか紹介できていません。

さらに勉強してみたい方は「コンピュータが仕事を奪う」
(新井紀子著、日本経済新聞出版社)という本がおすすめです。

この本を読み解けば、
ワープロや表計算ソフトの使い方など表面的でない、
数十年後も変わらない
コンピュータの基礎知識が得られるはずです。
posted by エンジニアライター at 22:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 高校数学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする