科学の説明の文章を書くときには
正確性にこだわるのが普通です。
この法則が成り立つのはどんな条件が必要なのか、
どんな例外があるのか、
など注釈が多くなってしまいます。
しかし、それは読み手の理解を
大きく妨げているような気がします。
典型的な例が数学で、
学問の正確上しょうがないのですが、
例外の解析に議論のほとんどを使います。
数学を実際の仕事で使う場合、
ほとんどは例外にはなりません。
例えば、二次方程式は2つの実数解を持つ場合、
重解を持つ場合、実数解を持たない場合
があります。
適当に方程式を作った場合、
99.99%は2つの実数解を持つ場合か
実数解をもたない場合になります。
重解は正確にD=0となる場合ですから、
ほとんどあり得ないということになります。
となると、注目すべきは何なのか、
自然にわかるはずです。
初学者が細かいところばかりに
注目した本で学ぶと、
本当に大切なことがわからなくなります。
もちろん、専門性が高まると、
例外を学ぶことが重要になるでしょう。
しかし、初学者にとっては、
まず、大まかな流れを知ることが重要です。
特に、専門的な知識を必要としない人は
細かい知識がむしろ邪魔になることが
あるとさえ思っています。
正確ではない理解が、
時には正確な理解より役立つことがある、
私はそのように考えています。