2018年07月21日

正確に伝えることにこだわってはならない


科学の説明の文章を書くときには
正確性にこだわるのが普通です。

この法則が成り立つのはどんな条件が必要なのか、
どんな例外があるのか、
など注釈が多くなってしまいます。


しかし、それは読み手の理解を
大きく妨げているような気がします。

典型的な例が数学で、
学問の正確上しょうがないのですが、
例外の解析に議論のほとんどを使います。

数学を実際の仕事で使う場合、
ほとんどは例外にはなりません。

例えば、二次方程式は2つの実数解を持つ場合、
重解を持つ場合、実数解を持たない場合
があります。

適当に方程式を作った場合、
99.99%は2つの実数解を持つ場合か
実数解をもたない場合になります。

重解は正確にD=0となる場合ですから、
ほとんどあり得ないということになります。

となると、注目すべきは何なのか、
自然にわかるはずです。

初学者が細かいところばかりに
注目した本で学ぶと、
本当に大切なことがわからなくなります。

もちろん、専門性が高まると、
例外を学ぶことが重要になるでしょう。

しかし、初学者にとっては、
まず、大まかな流れを知ることが重要です。

特に、専門的な知識を必要としない人は
細かい知識がむしろ邪魔になることが
あるとさえ思っています。


正確ではない理解が、
時には正確な理解より役立つことがある、
私はそのように考えています。


posted by エンジニアライター at 13:11| Comment(0) | 科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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