2014年02月01日

学校では教えてくれない「数学のリアルな使い方」教えます


「数学って何の役に立つの?」
中学生や高校生が、学校の先生によくする質問です。
その時、本音では「受験で必要だからだよ」と思いながら、
先生はこんなことを話すでしょう。

「数学は論理的思考を鍛えるために必要なんだ。
微分積分は使わなくても、それを頑張って勉強した
という経験は、人生のどこかで生きるものなんだよ」

また、こんなことを言う人もいるかもしれません。
「数学は楽しいものです。数学の楽しさを知ることは
人生を豊かにするのです」

これらは決して間違いではありません。数学を学ぶことは
論理的思考を鍛えるために効果的ですし、
数学は趣味で勉強すると本当に楽しいものです。

でも、こんなことを言われても、何かはぐらされているように
感じます。結局、頭の体操をしているだけではないかと。
結局、数学は具体的に何かの役には
立たないものなのでしょうか?


そんなことはありません。高校で習う数学は、
実際に世の中で役に立っています。
例えば、三角関数や微積分がないと自動車は動か
ないし、携帯電話も使えないのです。

★続きます★

問題は、そんな風に
「数学が世の中でこんな風に役立っている」
ということを教えてくれる人が
ほとんどいないということです。

普通の人にとって、身近な数学のプロと言うと、
学校の数学教師になるでしょう。でも、彼らは
数学を教えるプロであって、使うプロではありません。

これは、教科書の編集委員をつとめるような大学
の数学研究者でも同じです。
彼らは数学を研究するプロであって、使うプロではありません。
ですから、彼らは、現実の役に立つ数学の
使い方には、詳しくないのです。
では、数学を使うプロはどこにいるのでしょうか?


実は、数学を使って飯を食っているプロというのは、
世の中にはたくさんいます。例えば私も、その1人です。

私は半導体メーカーでモデリングという
仕事をしているエンジニアです。
モデリングというのは、
半導体素子の特性を数式で表す仕事です。
……と言っても、よくわかりませんよね。
詳しくは後ほど、本文で説明していきますので、
ここでは省略します。

ここでわかっていただきたいのは、この仕事はとにかく
数学を「使う」仕事だということです。
仕事の中身は微積分、行列、三角関数など、
高等数学のオンパレードです。
まさに「数学で食っている」と言って間違いありません。

「そんな仕事をしているんだから、学生時代はさぞかし
数学の成績が良かったんだろうな」なんて思いますか?
でも、実は、私は一流大学の数学科を卒業した
研究者ではありません。

つまり、数学の研究者ほど頭が良いわけではないのです。
実際、私は大学初級の数学までは
なんとかついていくことができましたが、
大学専門課程の数学には挫折してしまいました。

それなのにこんな難しそうな仕事ができているのは、
実際に使う数学は、学校で学ぶ数学ほどは難しくないからです。
必要な基礎知識のほとんどは高校で学んだ数学で十分です。


ただし、必要なのは具体性です。

私は数学を、例えば製品を設計するなど、
具体的な対象を通して見ています。
すると、教科書に載っている美しさを重視した
抽象的な議論と違う、もっと具体的なイメージ、
数式の意味が見えてくるのです。

方程式1つとっても、教科書には
抽象的な数式しか書かれていませんが、
私たちには仕事の上で具体的な何かを想定して使います。

その、具体性が数学の理解を楽にしてくれるのです。
「最初から学校でこういった意味を教えてくれれば、
どんなにすんなり理解できただろう」

仕事を通して数学を見つめ直す中で、
何度そんなことを思ったことでしょうか。
それは、あまり外に出ることのない、
エンジニアの持っている暗黙知と言えるものかもしれません。

さて、この本はそんな私が高校数学の暗黙知を、
たった1冊で理解してもらおうというものです。

もちろん、高校で3年間掛けて学ぶ数学のすべてを
たった1冊にまとめるのですから、
何でも解説しきれるわけではありません。

ですから、本書では、計算のテクニックはまったく扱いません。
この本を読んでも、数学の点数は上がりませんし、
ましてや大学の入試問題は解けるようにはなりません。
その点はご了承ください。

ただし、なぜ三角関数や微積分と言った、
一見難解で奇妙な数学が生まれたのか、
その必要性や使い方は、ばっちりわかります。

こうしたことは、教科書にはほとんど書かれていませんが、
単なるパズルが長い年月を超えて
語り継がれたのではありません。
そこには明確に人間の活動に役立つ何かがあるのです。

それを知っておくことの方が、計算方法を学ぶより、
よっぽど大切です。なぜなら、今は計算だけなら
コンピュータがやってくれますから……。


恐らく私がこれから語る数学は、
学校で学ぶ数学よりも大雑把でいい加減なものになるでしょう。
数学の研究者から見れば、眉をひそめるような
表現もあるかもしれません。

でも、それでも良いのです。
私の大雑把な話を聞いてもらって興味が出たら、
必要に応じて、もっと専門的な本で厳密な話を
勉強すれば問題ないのですから。

私としては、本書が、読者が本格的な数学を学ぶための
土台になれれば本望です。


今、普通の人も、数学を使う能力が求められる時代を
迎えようとしています。

良い例が、現在、雑誌などの誌面を賑わしている
「ビッグデータ」という言葉です。
ビッグデータの本質は、人の購買情報など膨大なデータを解析し、
うまく活用していくということです。

ですから、データ解析の能力は、
これからのビジネスパーソンにとって
非常に重要になっていくでしょう。

その際に必要なのは、計算方法ではありません。
データ処理自体はコンピュータがやってくれます。
大切なのは、どういうデータをどう解析し、
どう読めばいいのかを判断できることです。

そのような数学的な素養が、英語と同じように、
一般のビジネスパーソンにとって必要となる時代が目前に
迫っているのです。

本書が、そんなビジネスパーソンの手助けになれることを、
心より望んでいます。


2014年2月 著者

学校では教えてくれない! これ1冊で高校数学のホントの使い方がわかる本
posted by エンジニアライター at 17:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 出版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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